【書評】『科学の女性差別とたたかう 脳科学から人類の進化史まで』
「男性は論理的、女性は感情的」のように、生まれついての性によって行動や能力に差があると思っている人は少なくない。でも、それは本当だろうか。本書では、英国きっての実力派科学ジャーナリストが、医学や人類学、進化生物学などさまざまな分野を取材し、この謎に挑んだ。詳しくは読んでもらうとして、最新の研究では、乳児の脳には生物学的な男女の差はなく、その後の人生で大きな差が出るのは、「育ち」の影響が強いからということが証明されつつあるという。原書は英国物理学会誌で、2017年ブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。